chapter22

22.


「だれでも行き過ぎをして、キリストの教えのうちにとどまらない者は、神を持っていません。そ
の教えのうちにとどまっている者は、御父をも御子をも持っています。あなたがたのところに来
る人で、この教えを持って来ない者は、家に受け入れてはいけません。その人にあいさつのこ
とばをかけてもいけません。そういう人にあいさつすれば、その悪い行いをともにすることにな
ります。」(Uヨハネ1:9-11)


 キリスト者は、極力無駄なことを排除しなければなりません。 その無駄というのは、生活上
の、娯楽、趣味、等々をさして言っているのではありません。無駄、それはキリスト教に関する
ことがらについての無駄です。何がキリスト教に関する無駄かといいますと、先に述べた、「救
われていないのに、私はキリスト者である」と看板を掲げている人々と、キリスト教に関する共
同作業をすることです。キリスト教世界の大きな流れになっている「エキュメニズム」と呼ばれて
いるキリスト教の教会一致促進運動がその代表格です。
 自分の教会の外に出て行かない方々にはあまり知られていないでしょうが、世界教会協議会
(WCC)と呼ばれる団体ができていて、そこにはローマカトリック教会、ギリシャ、ロシアをはじ
めとする東方カトリック教会(正教会・・ハリストス教会)、ルーテル教会、聖公会、自由主義神
学や新正統主義の立場のプロテスタント教会などが加わっており大きな勢力となっています。
日本にも下部組織といえる日本キリスト教協議会(NCC)があり、日本基督教団、日本聖公
会、日本バプテスト連盟、日本福音ルーテル教会、日本バプテスト同盟、などが加わっていま
す。これは1948年にプロテスタント教会が始めた運動ですが、今はカトリック教会が大きな勢
力を占めるに至っています。カトリック陣営はこの運動の一環として、プロテスタントと共同訳の
聖書を発行し、その中にプロテスタントが聖書と認めていない、外典を入れることに成功しまし
た。大きなポイントを稼いだと言えるでしょう。救われていない人々の教会が、「一致」という錦
の御旗に惑わされた結果です。
 福音派の教会は、その動きに対抗して自分たちも協力して働きをするいくつかの団体を形成
しましたが、それらがだんだん整理されて、現在は「福音同盟」という団体が中心的働きをして
いる模様です。
 私たちは、それらのできごとを知識の片隅に入れておけば十分です。大切なことは、無駄な
ことに力を用いないことです。福音派どうしの働きであっても、必ずしも益するとは限りません。
私たちが働ける時間は、僅かしかないのですから、無駄なことによって力をそがれないようにし
ましょう。特に牧師の先生方にそれを望みます。会合に呼ばれても出席しない。それが最善の
防衛策です。






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